体育会に価値はない

体育会本部長の岩本です。 WEBページのリニューアル最初のコラムとして二つのことを話そうと思う。
【私が考える体育会の価値】と【私にとっての体育会の価値】について、である。

私が考える体育会の価値

本部長をしていると「体育会の価値とは?」という話をよくするし、よく尋ねられる。
否定もされるし、聞く人からすればわかりきっていることではあるが、私の答えはタイトルの通りである。

「体育会に価値はない」

当然、体育会を冷めた目で見ているわけでもなく、バカにしているわけでもない。自分の体育会に対する気持ちで言えば、むしろその逆である。
体育会に入り、そして体育会学生本部に入り、本当にいろんな人たちと出会ってきた。私はこの組織が大好きだ。

みんな一生懸命で、熱くて、泥臭い、だけどキラキラしている。本当に素晴らしい人たちでそんな人たちが集まる体育会の一員であることに私は誇りをもっている。この気持ちだけは、本部長という立場で、この体育会に深く関わってきた私が一番強いという自信がある。

では、「体育会に価値はない」とは、一体どういう意味か。
最初に言っておくと、このタイトルはかなり誇張した。その方がみんな見てくれると思って。

実際の答えは、「少なくともただ体育会に入ることに価値はない」である。
どこかで何度か話したことのある話ではあるが、私が本部長として伝えたいことの一つであるため、ここでも話そうと思う。

例えば、少し自分の話だが、この前まで就職活動をしていた。

面接では体育会についてたくさん聞かれた。
なんで入ったの?
どんなことを考えたの?
どのようなことをしてきたの?
私は答えた。自分が今までたくさん挑戦してきたこと。
何度も挑戦して、 何度も失敗して、
何度も泣いて、それでも前を向いて、
一生懸命考えて、また挑戦してきたこと、を。


自分はそのプロセスに確かな自信を持っていたし、だからこそ面接なんて怖くなかった。
自分がしてきたことを話せばいいだけだったから。

あまり話したことのない先輩に意見する時の方がよっぽど勇気が必要だったし、
信頼していた同期に裏切られたと思った時の方がよっぽど辛かったし、
落ち込んでいる後輩に声をかける時のほうがよっぽど難しかった。

嫌味のつもりや自慢のつもりは全くないし、自分の性格の部分もあるとは思うが、面接は、むしろ楽しかった。

当然そうじゃない人もいる。
私が体育会員として、人として、心から尊敬するような人たちがいる。
そんな人たちも就職活動では苦労していたし、苦労している。
みんなに愛されている、
素晴らしいことをしてきた、
そんな人たちでも、である。

何も考えず、挑戦してこなかった人が、
ただただ毎日の練習をこなしていただけだった人が、
例えばそれほどシビアな就職活動を、納得いく形で終えられるだろうか?

何が言いたいのか。
「体育会に価値はない」とは、2つの意味がある。

①「体育会に入ることで、保障されるものなど何もない」


何も考えず、何もしなければ、何の価値も得られないのである。要はその人次第ということである。

②「体育会に入ることでみんなが共通して得られる同じ価値はない」

人それぞれ、その人にとっての「体育会の価値」がありうるし、私には私にとっての「体育会の価値」があるということである。もちろん得られない人もいる。

「体育会の価値」とは、体育会に入った人が、そこで何を考え、何を得ようとし、どんな行動をしたのか、その先にようやく顔を出してくれるものであり、
4年後、私たちが引退する時や、卒業する時に、気付く。そんなものだと思う。

私にとっての体育会の価値

私はたくさん、その「体育会の価値」を得ることができたと思っている。
中でもずば抜けて一つ、大切なものがある。
それは私が就職活動で話してきた挑戦や、
その過程で得た人間的成長でもなければ、
日々の練習による肉体的成長なんかでもない。

私にとって何よりも大切な「体育会の価値」、それは
「かけがえのない仲間に出会えたこと」である。

自分が落ち込んでいる時に、声をかけてくれた奴、話を聞いてくれた奴。
こんな自分を頼ってくれる奴、ありがとうと言ってくれた奴。
練習が終わったら一緒にトレーニングする奴、一緒にシャワーに行く奴。
一緒に帰る奴、一緒に夜ご飯を食べに行く奴。

たくさん笑ったし、たくさん泣いた。きっと自分は、この先社会人になっても、
落ち込んだらこの人たちとご飯に行き、相談して、また背中を押してもらうのだと思う。
そんな仲間に出会えたことが私にとって一番大切な、「体育会の価値」である。

私たち体育会学生本部は、体育会員の幸せ(体育会の価値)のためにある。
4年生の任期はあと2ヶ月半。
より多くの体育会員がより多くの「体育会の価値」に辿り着くサポートをする。
その先に、自分たちにとっての、それもあると思うから。

最後に、
かなり調子に乗った口調で書いてしまいましたが、私は普段、人の別れ話をおかずに白米を食べているようなどうしようもない人間で、自分でも調子に乗ったことは自覚しているのでどうか、引かないでください。

体育会学生本部本部長
4年生 岩本明駿

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